他のコンサルティングファームではできないこと
何か新しいことを始めようとする時、たとえば新規開拓の訪問でも、DMの発信などで、そのクライアントに経験値がない場合、まずきちんとスタートできるまでに相当の時間がかかってしまいます。
それでは「機」を逃しかねません。
そこで私たちがやることは、
まずは、成功事例を見せる。
・・・うまくいっているだけを見ると、多くの人は、どうやれば成功するかをつかみ取る能力があります。(この理由はまたの機会にお話ししましょう)
それでもピンとこないようであれば、
こちらで、その会社で使う実際のツールを作ってしまいます。
たとえばDMのレター案であるとか、TELのトークスクリプトであるとか、あるいは初回訪問時の商談ストーリーや、商品パンフレットなどなど。
この話をあるとき、他のコンサルタントに話をしたところ、
「そこまで具体的に作り込んでしまうと、もしそれでうまくいかなかった場合に、こちらの権威が落ちるリスクがある」
「その会社のことをそこまで理解して作るのは外部の者には難しい」
と言われました。
確かにその通りかもしれません。でも私たちは学者ではありません。
そのリスクを取る覚悟なしに、その実効力を備えずに、何が営業のコンサルタントかと。
そして実際に、そうして一度具体的な見本を示すことができると、そのあとは本当に展開が速くなります。
もちろんそれでうまくいかないこともあります。私たちは完璧ではありません。しかし他のコラムでも書いていますが、そのうまくいかなかった時に、「うまくいくようにいかに軌道修正するか。PDCAサイクルをいかに回すか」が経営上、最も大事なことなのです。
またこうも言われました。
「そこまで手取り足取りやるとクライアントが育たないではないか」
これも大きな間違いです。
その会社でできそうなことは、そこまでの手助けはしません。
どうしてもできそうにないことに対して、
きっかけとして、最初だけ手助けするのです。
心理学で次のような実験があります。
幼稚園児の集団に対して、ある課題を与え、
グループAは、自主性に任せて黙って見守っているだけ、
グループBは、最初だけ少しヒントを与える
・・・すると、そのあとどちらのほうが、意欲や興味を持って、創造性を発揮して、その課題に取り組むことが出来るかという実験です。
答えは明らかでした。
大きな石を動かそうとすれば、最初に最大のエネルギーを必要とします。