営業にも作業標準の考え方を
営業に関する課題が生じたときに、組織としてどのように対応すべきか。まずその問題そのものを解決することはもちろんとして、それが再発しないような仕組みを作ることも求められます。
しかしそのように製造部門では普通に考えられ、実行されていることが、なぜか同じ製造業の会社の中でも、営業部門ではあまり取り組まれていないといった企業をよくみかけます。
営業部門で生じる様々な問題として、挙げればきりはないのですがたとえば、
「営業担当者が、お客様とのアポイントの日時を間違えてしまった」
「大事な要件の連絡のし忘れ」
「提出サンプルの中に、仕様を満たしていないものを含めてお客様に渡してしまった」
「見積書に間違えて、原価を書いてしまった」
「営業担当者によっては、きちんと月間の行動予定が立てられていない」
このように営業部門では、様々な問題が日常的に起こりうるわけですが、未然防止に繋がる仕組みを作ることが可能なものも少なくありません。それをミスをした営業個人の問題として帰結しているだけでは組織的な成長は望むべくもありません。
では、どのように考えて対処していけばよいのか。シンプルにまとめれば、以下の表のようになります。
まず大事なのは、「作業標準があるのか、ないのか」です。しかし往々にして営業の場合は、作業標準が整えられていません。繰り返しますが、製造現場では当たり前のようにやっていることなのに、です。
たとえば、「アポ忘れ、間違い」に関しても、
・アポイントは復唱してお客様に確認をとる。その場で書き留める。書き写しをしない。
・上司とスケジュールを共有する、リマインダーを設定する。
等いろいろな仕組みを考えることができると思います。製造工程の作業予定や材料の納入予定をまさか個人の手帳だけで管理している会社はないと思いますが、同じように極めて重要な予定である、お客様とのアポイントの日時をどのように管理しているかと言えば、多くの企業では営業担当者任せで、その担当者の手帖やGoogleカレンダーなどに書かれているだけというケースが非常に多いのです。
もちろんすべてをマニュアルで縛ってがんじがらめにしろと言っているのではありません。
個人によってブレがあり、それが問題となるような行為に関しては、会社として標準化を図るべきだということです。
このような考え方は製造業であれば、なじみやすいと思います。「現場製造で当たり前にやっていること」を営業にも応用してみてください。