なぜ営業マンは、顧客を訪問し、商談しなければならないのか?

ここに面白いデータがあります。

グローバルな調査会社であるオックスフォード・エコノミックス(Oxford Economics)の新たな調査によれば、ビジネストリップ(商談や会議での出張)は企業の売上と利益の増加に直接つながるという明確な証拠を提供しています。

この調査によると、1ドルのビジネス旅行に投資すると、追加収入は12.50ドル、新たな利益は3.80ドルとなります。

日本円で考えると、旅費交通費に100円使うと、1,000円売り上げが増加し、380円利益が増えるということです。

「コストを使ってでも、たくさん人に会いに行くことが売上を伸ばす」のであり、このことがすなわち、営業マンが一定の訪問件数を確保すべきだという、ひとつの大事な根拠となると考えます。

もちろん営業の効率化を図る上でも、E-mailを使っての顧客とのやり取りや、TV会議などを、どんどん活用すべき時代となっています。

実際に私もクライアント先で新しいITツールの導入を推奨することもあります。

しかし、このデータが示すように、効率化を重視しすぎて「面談」の機会を減らしてしまうと、売上や収益にも影響が出る懸念があります。

特に製造業の営業マンにとっては、実際にお客様にお会いして商談をすることは、これからも不可欠だと考えます。

おそらくこのデータは、すぐに影響が出るというよりも、2-3年経つと明確になってくるのではないでしょうか。

もしかすると、あなたの会社でも、旅費交通費の推移と売上などに相関性を見出せるかもしれません。

さておき、「犬も歩けば棒に当たる」ではないですが、「ともかく人に会う。いろいろな話をする」ことが大事だと考えます。

そうする中で、「実は・・・」とか「そういえば・・・」と、お客様から想定していなかった情報が得られることも実際にたくさんあります。

このような無駄に思えるような雑談の中から、新しいものが生まれてくるものです。

効率化だけを追求しすぎると、そのチャンスを失ってしまいかねません。

もちろん、報告だけの会議に出席したり、サンプルを届けるためだけに顧客に出向いたりといったことは、できるだけ削減すべきでしょうが、

「人に会いに行く」ことの重要性をこのデータは示してくれています。

出典: http://online.wsj.com/ad/article/globaltravel-face