顧客開拓のためにはITの活用が重要なカギとなります。その中でもやはり、ウェブ、つまりインターネットは経営かつ営業の強力なツールだといえます。そこでここでは「いかにWEBの世界が10年前とは大きく違っているか」について実感して頂き、「これは乗り遅れるとまずい!」と現状打破のためのスイッチを入れて頂きたいと思います。

 まずはここ10年ほどの変化をWikipedia(ウィキペディア)を例にとってみましょう。2001年1月15日に英語版が発足したWikipediaの特徴は、「従来、専門家によって監修、編集される百科事典を一般のインターネット利用者が匿名で編集できるようにしていること。」とWikipediaの説明にあります。それまで辞書と言えば専門家の手で編纂されていたものを、誰でも自由に書き込みができるようにしたわけです。しかし誰でも書き込めることの弊害は誰でもすぐに思いつきます。このサービスが開始された当初、果たしてそんなことがうまくいくのかと多くの人が感じていました。それがあっという間に若い世代を中心にWikipediaが辞書として日常的に利用されるようになりました。

 はたしてWikipediaがどれだけ急速に発展したのか。次のグラフは日本語版のWikipediaの項目数の推移を調べてみたものです。


(Wikipedia公表データをもとに筆者が作成)

 日本語版の発展期に入った2004年辺りからわずか10余年、2014年3月14日時点で日本語版Wikipediaは90万項目に到達しています。90万項目と言われてもちょっとピンと来ないかもしれませんが、従来の百科事典の代表格のひとつであるブリタニカ百科事典の2010年の国際化版が約4万項目とのことですから、4万対90万。わずか10年で従来の辞書を量的に圧倒しています。しかも辞書に対する価値観や利用方法まで変えてしまいました。

ところでタイムマシンで10年前に戻って、Wikipediaの現状について周りの人に話してみるとどうなるでしょうか。そんなことになるわけがないと多くの人が笑うでしょう。それくらい私たちの想像をはるかに超える急速な変化がインターネットの世界では起こっているのです。

 次のグラフはAmazonの売上推移です。


2013年度の売上高は744億ドル。1ドル100円で計算するとなんと7兆4400億円。ネット通販がこの10年あまりでいかに爆発的に成長したかが分かります。もちろん信頼度も大きく高まりました。販売業者は下手なことをすれば即座にユーザーから厳しい評価を書きこまれるので、いい加減な商売をしているとむしろリアルな店舗以上の致命傷を負います。だからAmazonで古本を買う際にも、もはや私たちはどの業者から購入するのかはあまり気にしなくて済むようになっています。これも10年前では考えられないことでしょう。

 このような顕著な例をあげて10年前との変化をみてみましたが、「WEB活用?インターネットの重要性?まあ、そんなことは言われなくても分かっていますよ」という方も多いと思います。本当でしょうか? では、あなたの会社において、役員会議や営業会議でホームページのデータを確認していますか?たとえば今月の閲覧件数や実際の問合せ件数はどうなっているでしょうか。あるいはどんなキーワードで検索されているのか、どの情報が熱心に見られているのか。それらはまさにマーケティング上の重要なデータそのものであり、それらはたとえば営業マンの活動管理や案件管理と同じか、それ以上に重要なものだと言えます。しかしこのようなデータを経営会議や営業会議の場で重視してしっかりと確認している会社は大企業ですら滅多にないのではないでしょうか。重要な指標であれば、本来は重要な場で共有され討議されるべきものです。もしもあなたの会社でもそうなっていないのだとすれば、WEBの重要性が経営や営業活動に直結するものとしてきちんと理解されていないということです。

 インターネットは顧客開拓のための強力なツールであり、しかも低コスト化した今こそ私たち中小製造業が有効に使いこなすべきツールなのです。まずはわずか10年前とIT環境が激変していることを改めて認識して頂きスイッチを切り替えて頂きたいと思います。