今年の夏の高校野球の大阪予選で、決勝で大阪桐蔭と対戦し、惜しくも準優勝となった府立校・大冠(おおかんむり)高校について。

営業目線でとても勉強になることが書かれていましたので、抜粋しながら紹介したいと思います。


この高校の選手は地元中学の軟式出身者が中心。しかも激戦区の大阪で、なぜここまでの結果が残せたのか。

そこにはいろいろな分析ができるかと思いますが、営業的な視点で気になるポイントが2つありました。


ひとつめは、以下の部分です。

「“私学コンプレックス“を消そうと、東山監督の大学(日体大)の先輩である高嶋仁監督の智弁和歌山や、同級生の岡田龍生監督の履正社、ほかにも愛工大名電(愛知)、関西、創志学園(ともに岡山)、松山商(愛媛)といった強豪校との試合を積んできた。

 大会での実績がなかった当初は「近くまで来たので、寄らしてもらいました」と東山監督が偶然を装って、練習グラウンドを訪ね、試合を申し込むこともあった。そうした努力もあり、対戦を重ねるなかで、今では“私学“への意識はチームから完全に消えた。」

(引用:WEB Sportiva  文:谷上史朗 2017.08.01 配信)


意識改革として、私学へのコンプレックスを無くすことはとても重要です。しかし、そのための具体策はなかなか思いつきませんし、たとえ思いついても実行するのは難しいところです。

でもこの監督さんは、普通なら相手にしてもらえない強豪校に「近くに来た」と押しかけて、練習試合をやってもらっています。

まさに飛び込み営業そのもの!

(強豪高校なんて相手にしてくれない。急に行っても無理だ。)という思い込み。普通であればこれが大きな邪魔をします。

でもほかに手段がないのであれば、諦めずにダメもとでも飛び込んでみる。

状況を打開するためには、このような突破力が必要です。

私も中小製造業の営業マンに、必要とあれば大企業相手の飛び込み営業をやってもらいますが、覚悟と誠実さをもって飛び込めば、思いのほか道は切り開けるものです。特に、その相手として”ひとかどの相手”を選ぶことも重要。それをまさに実践されているところが素晴らしいと感じます。


そして二つ目のポイントは以下の部分。

「父兄向けに野球部の魅力や活動報告を兼ねた『ワインドアップ』という野球部新聞をマネージャーが作成しており、これを近隣中学校の野球部にも配布。こうした地道な活動が部員確保につながっている。」(引用:同上)


素晴らしいアイデアです。高校に見学に行くだけでは分からない情報を普段から知らせてくれることは、とても有り難いことです。このようなことまで行き届いている高校、監督なら安心して子供を預けることができます。これもとてもしっかりした営業活動そのものです。

このことを私たち製造業の立場に置き換えてみると、リクルートで近隣の大学や高校にこうした通信を出していくのも良いかもしれません。

また見込み客に対して、普段からそのような意図で情報を伝達していくというやり方も考えられます。

例えば女性社員が、当たり前のことであっても知らせていく。たとえばですが、「〇日に、機械のメンテナンスを行いました。特に過去の工程内不良の原因となった個所、たとえば材料投入口辺りの清掃は入念に行い、ダブルチェックをかけています。」などのように書いていけば、「普段からきちんとやっている企業だな」と認識してもらえると思います。

取引先は意外と「普段からきちんとやっていること」を評価してくれるものです。

これを今であれば、ダイレクトメールでなく、メールで配信することもできます。そうするとコスト的には非常に安くできますし、相手が異動していてもメールであれば基本的に届きますので、見てもらいやすくなります。


以上、高校野球から学べる部分を書いてみました。組織を改革して強くしていく、現状を打破し、突破していくためには、やはりこのような「営業力」がとても重要だと考えさせられます。おそらくこの監督さんは、一般企業で営業をやっても素晴らしい結果を出すと思われます。

そしてこのような観点で営業というものをとらえると、営業って面白いと感じてもらえるのではないでしょうか。