顧客視点調査の根底にある考え方
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顧客視点調査の根底にある考え方2 質を重視
五段階欲求説で有名な心理学者アブラハム・マズローはこのように述べています。
「人は1マイルをどれくらいの速さで走れるか、あるいはどのようにすれば1マイルを走る能力を発揮させることができるかをしりたいなら、平均的走者を調べないで、例外的な走者を「成長しつつある先端」を研究するであろう。このような個体の研究によってだけ、人が1マイルを走り切れる可能性についての認識が得られよう。」※1
彼は、自己実現した人々についての研究において、母集団から無作為にサンプル抽出するのではなく、そのような属性をもっているであろう人物を恣意的に選択を行ない、データの統計学的な信頼性ではなく、得られる答えの重要性を採りました。このマズローの考え方は経営においても非常に重要な示唆を与えてくれます。
すなわち、顧客の声を聴く際に、取引顧客の何%を網羅すべきであるとか、そういう思考ではなく、本当にお付き合いしたいと考えるお客様を厳選して詳しくお話を伺えば、そこから自社が何をやるべきかは掴めます。
アンケート調査と比べてはるかに顧客の本音を引き出すことが出来、お客様が求めるものや、取引理由が明らかになる中で、自社が何をやるべきかが掴めてきます。それを目指すのがこの調査の目指すところです。もしかすると、あるお客様が言われた、たった一つのコメントの中に光明を見出すかもしれません。
経営とは本来そういうものではないでしょうか。
誰が見ても正しいという答えが、経営的に正解とは限りません。
とはいえ定量的な調査方法を否定するものではありません。CoreSearch調査のやり方が万能だというつもりもありません。質的な調査と、量的な調査。これらをうまく併用することが大事なのではないでしょうか。
従来のやり方で「答え」が見いだせないのだとしたら、CoreSearch調査を試していただく価値があります。
※1「マズローの心理学」
著:フランク・ゴーブル
刊:産能大学出版部
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顧客視点調査の根底にある考え方2 俯瞰
安藤広重の名作、広重「名所江戸百景」の中の「深川洲崎十万坪」
この絵の広重の視点はどこにあるのか?
鷹と同じ空の高さから見下ろしています。
この版画の視点も同様に俯瞰。ここが広重のすごいところ。
ところで、あなたが子供の頃に写生したときのことを思い出して見てください。
何を描いたにせよ、”あなたから見える”景色を描いていた筈です。
これはもちろん美術の話ではなく経営の話です。
当然のように、会社や商品についても、私たちは”自社から見える姿”をみているにすぎません。
もっと客観的な視点から、俯瞰的な視点から捉えなおす。
あたかも広重のように。
そうすると見えてくる景色が変わるはずです。
深川洲崎十万坪
寛政3年9月4日(1791年10月1日)、当時の洲崎一帯が大津波で被災。
幕府はこの一帯を買い上げ家屋の再建を禁止し新たに防波堤を築いた。
広重は60年以上経過しても当時のまま荒涼たる土地を描いた。
波間に浮いた桶が、深く人の心を打つ。