手紙を用いることで顧客開拓力を手に入れることができた営業コンサルティングの事例をお紹介したいと思います。

 ある従業員6名ほどのメーカーでの話です。知名度はゼロの会社だったのですが、優れた技術を持っており必死で営業努力されていました。

しかしこの会社のこれまでの営業活動と言えば、まさに川下営業。大企業を直接狙う場合でもとりあえず購買部門の中の会える人から話を始めるというやり方でした。

ですから技術をきちんと評価してくださる担当者にせっかく出会えたとしても、徐々に決済をあげていくうちに途中で止まってしまう・・・・。そんな状態を繰り返していました。

しかもその会社の技術を採用するということは、ある意味既存のやり方を否定することにもなるので顧客内の既存勢力の抵抗も受けていました。担当者レベルのほうがむしろ保守的であるという問題にこの会社も直面していたわけです。

 そこで改革意欲の高い経営者に直接アプローチすべきということで、大企業の代表取締役社長宛にも直接手紙を書いてもらうことにしました。ちなみにその会社にはそのような営業経験は全くなかったので最初は私が手紙の草稿を作り、それを元に文面をアレンジしてもらいました。そしてこのケースでは手紙を送るだけでなくフォローの電話も入れて頂くようにしました。

 その会社の方はそんなことをして大丈夫なのか?という半信半疑の状態でしたが、実際に一人で月に30件手紙を出してもらい、その後電話を入れて頂くと2~3件は社長と直接話ができるようになりました。送付先は大企業のメーカーであり、名前を出せば皆さんも分かるような会社ばかりです。

 しかしその社長さんたちが、手紙を一通出しただけの見ず知らずの会社からの電話に出て話をして頂けているのです。しかもそれをやっているのはカリスマ営業マンでも何でもなく、従業員6名の会社の普通の社員です。このようなやり方を経験をしたことがない方からすればにわかに信じられないことかもしれませんが、こんなことが起こり得るのが「手紙」という営業手段が持つ突破力なのです。

 ちなみに社長と直接話せない場合でも秘書の方から、「その件は伺っておりますが、こちらの者が対応させて頂きます」と担当部署の責任者に電話を回して頂くこともあり、結果的にこの会社では、手紙を出した先の1割程において初回商談が実現するという流れを作ることができました。もちろんこれらの商談は川上から発生したものですから、受注に結び付く確率もスピードも飛躍的に高まったのは言うまでもありません。

 この会社にも実績がついてきたので、現在では自主開催の技術セミナーも定期的に開催できるようになり、さらに効率的に見込み案件作りができるようになっています。